【docker】マウントするときに知らないとまずい注意点

dockerにはコンテナを作成するときに便利なコマンドがあります。
それが"-v (–volume)"。
普通コンテナ内で作成したファイルは、コンテナを削除した時点で消えてしまいます。
しかしこの-vオプションを使うと、ホスト上の任意のディレクトリやファイルをコンテナと共有できます。
コンテナ作成時にマウント先として指定したコンテナ内のディレクトリにディレクトリ・ファイルを置けば、そのディレクトリ・ファイルはコンテナを消してもホスト内に残ります。
そんな便利な-vオプションですが、使う時には注意が必要な点があるのでご紹介します。
マウント先ディレクトリは上書きされる
コンテナ側のマウント先となるディレクトリはマウント元のホスト側のディレクトリで"上書き"されてコンテナが作成されます。
コンテナ内の重要なファイルやディレクトリが存在するディレクトリをマウント先に指定してはなりません。
実例を実際に見てみましょう。
# ubuntuコンテナを作成してコンソールを起動
username@hostname:~$ docker run -it ubuntu:latest /bin/bash
# /var/logの中を確認してみると複数のファイルやディレクトリがある。
root@82e3e4047971:/# ls /var/log/
alternatives.log bootstrap.log dpkg.log lastlog wtmp
apt btmp faillog tallylog
# コンテナを抜ける
root@82e3e4047971:/# exit
# ホストに空のディレクトリ/tmp/irukaがある
username@hostname:~$ ls /tmp/iruka
# /tmp/irukaを、先ほど複数のファイルやディレクトリが存在することが確認できた/var/logにマウント
username@hostname:~$ docker run -v /tmp/iruka:/var/log -it ubuntu:latest /bin/bash
# /var/log/内を確認してみるが何も無い←ホストの/tmp/iruka/で上書きされたため
root@d6a41462b745:/# ls /var/log/
root@d6a41462b745:/# exit
username@hostname:~$
役立つ知識
ホスト側のマウント元もしくはコンテナ側のマウント先として指定したディレクトリが存在しない場合は、エラーは起きず新たにそのディレクトリが作成されます。
# ホストの/tmp/dolphin/ディレクトリ内に何もないことを確認
username@hostname:~$ ls /tmp/dolphin/
# ubuntuコンテナを作成
username@hostname:~$ docker run -v /tmp/dolphin/iruka:/tmp/shachi --rm -it ubuntu:latest /bin/bash
## 以下はコンテナ内
# /tmpディレクトリの下にもともとイメージ内に存在していないshachiディレクトリができていることを確認
root@8623a289cfdf:/# ls /tmp/
shachi
root@8623a289cfdf:/# exit
## 以下はホスト内
# もともとは何もなかった/tmp/dolphin/内にirukaディレクトリが出来上がっていることを確認
sername@hostname:~$ ls /tmp/dolphin/
iruka
username@hostname:~$
このような仕様になっているため、
あえてディレクトリ作ってからマウントさせる必要はありません。
まとめ
以上。
dockerどんどん利用されることが増えてきている技術です。
使い方は知っていても、この記事で紹介したような細かな知識を持っていないエンジニアは多いです。
マニアックだけど持っていると便利な知識をどんどん身につけ、周りのエンジニアと差をつけましょう。