【会社員から】フリーランスになるメリット・デメリットまとめ
・フリーランスに興味が湧いてきているけどなる決断ができない
・会社員と比較してフリーランスの働き方がどう違うのか知りたい
このような方に向けて、フリーランスという働き方が故に発生するメリットとデメリットをまとめました。
世の中はフリーランスへの注目度が増している状況ですが、会社員と比較すると一長一短です。
ご自身がフリーランス転向すべきなのか否か適切に判断するため本記事をお役立てください。
メリット
フリーランスになるメリットは以下です。
- 仕事を選べる
- 働く量を決められる
- 収入が増えがち(時間あたりの収入が大きくなりがち)
- 色々な職場を経験できる
- 副業OK
それぞれ詳細に説明します。
仕事を選べる
フリーランスの場合、誰かから指示されて仕事を決めることはありません。自分で決めることができます。
一番オーソドックスな仕事の決め方が企業が出している案件を受注する形です。フリーランスエージェントのサイトなどで見ることができる案件一覧や、フリーランスエージェントの方に紹介された案件の中から自分がやりたい仕事を選ぶことができます。
ただし注意点もあります。
フリーランスで働く場合、契約形態は大きく「準委任契約」と「請負契約」の二つのどちらかになります。ざっくり二つの違いを説明すると、「準委任契約」は労力(主に労働時間)を求められる仕事で、「請負契約」は成果物の納品が求められる仕事です。
準委任契約の場合は、常駐など案件の発注先の方々と働くことが多いので、案件受注後は基本的に案件発注先の方に指示を出されながら仕事をすることになります。請負契約の場合は成果物を作成するところは基本的に自由にできますが、納品物が案件発注者の希望と異なる部分があれば、修正の依頼をされることがあります。
つまりどちらの形の契約だとしても、少しは誰かからの指示や指摘があることにご注意を。
以下のQiitaの記事がわかりやすく「準委任契約」と「請負契約」の違いを説明してくれているので参考にしてください。
「お前らのフリーランスになるメリットは間違っている」というお話
私は会社員エンジニア時代に管理職だったため開発業務以外にも複数の雑務を行う必要があり、しんどかったです。。フリーランスは自分で税金関連の作業をする必要があるなど、会社員ではやらなくても良い作業が増えはするのですが、やりたい仕事が選べるメリットはとてつもなく大きいです。
働く量を決められる
日本の会社は週5勤務が大半です。しかしフリーランスの場合はどれくらいの時間働くのか自分で決めることができます。お金をたくさん稼ぎたい人は週5日以上働くこともできますし、最低限のお金を得られれば良い人は週3勤務も可能です。
少ない稼働の案件をメインで扱っているフリーランスエージェントもあり、例えば以下のITプロパートナーズというフリーランスエージェントは週2週3からの案件をたくさん持っています。
ITプロパートナーズ私は会社員時代月80時間残業とサビ残が続いたことがあり、会社員という働き方に疲れてしまったことがフリーランス転向を決めた一つの理由ですね。稼働時間を抑えると収入は減るかもしれませんが、その分勉強に当てる時間を増やせたり、リフレッシュの時間に充てることができ、結果的に稼働時間あたりの生産性があがるため、時間あたりの報酬額が増える可能性が十分にあります。
このように働く量を自分で決められ、自分の使いたいように時間を使えるようになることはとても大きなメリットです。
収入が増えがち(時間あたりの収入が大きくなりがち)
フリーランスになると収入は増えがちです。これには複数の理由があります。
1つ目の理由は業務の期間と範囲が決まっているためです。
会社は雇っている社員に対して毎月給料を支払う必要があります。社員の仕事の中には利益を生む活動もあれば、利益を生みにくい雑務をこなす時間もあります。担当する業務によってはほとんど仕事がない期間がある人もいるでしょう。そのような場合であっても会社は社員に対して給料を払い続ける必要があります。そのため、最も利益を出す活動をしている期間をもとに給料を決めるのではなく、その人が生み出す利益を年間で平均した金額が給料の額を決めるベースになります。
対してフリーランスの場合はその時点である企業が利益につながると考えている仕事を案件として対応することになります。つまり利益を生む可能性が高いことを決まった期間だけ行うことになり、仕事がない期間を考慮する必要が消えます。その結果、報酬額の基準が案件の業務内容自体になるので収入が大きくなりやすいのです。
2つ目の収入が増えやすい理由は雇用形態にあります。
会社員の場合、実は健康保険料と厚生年金保険料の50%は会社が支払ってくれています。その他にも有給を取得させることが法律で決まっていたりなど、会社員に対して会社が行う必要があることは多々あります。しかし、フリーランスを雇う場合はこのような支出が発生しないため、その分が報酬が上乗せされるのです。
以上のような背景があり、会社員とフリーランスという法律上の立場の違いもあり、フリーランスの方が収入が増えがちです。
参考:社会保険料の会社負担割合の額は? 計算方法や金額を解説
色々な職場を経験できる
フリーランスの案件には半年から1年間の長期のものもありますが、1〜3ヶ月間の短期の案件も多数あります。あらゆる職場で業務を経験することにより、1社しか知らない人と比較し柔軟な対応が可能になります。
また、複数の会社での経験を分析に利用できます。発注先企業のルールがどのような場合のときにうまく会社は回っているのか、社員は幸せそうなのか、利益をあげられているのか、など様々な観点で分析することができます。この経験は自身の業務にも活きますし、どこかのタイミングでコンサルティング業を始めようとしている方や起業を考えられている方にも有益です。
単純に任された仕事をこなすだけではなく、たくさんの職場を経験できるメリットを最大限に活かしましょう。
副業OK
会社員の場合は副業が禁止されていることが多いです。政府は副業を推奨する方針のようですが、副業を解禁している会社はまだ日本に多くありません。これには労働基準法が関係しています。
労働基準法では以下が定められています。
使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
労働基準法 | e-Gov法令検索
使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について8時間を超えて、労働させてはならない。
本業も副業もどちらもこの労働時間に含まれます。また36協定によりこの時間を超える労働には割増賃金が発生します。
参考:本業と副業で可能な労働時間とは?割増賃金や注意点についても解説
副業を解禁すると会社は社員が副業をしている時間も管理する必要が生まれてしまい作業負担が増えることに加え、時間外労働をさせられる時間も減ってしまいます。
こういった背景があり、副業を解禁している企業は少ないのです。本来は労働者を守るための法律ですが、稼ぎたい人にとってはやっかいな存在になります。
しかし、フリーランスの場合は個人事業主であり、企業と労働契約を結んでいるわけではないので労働基準法の適用外となり、やりたいだけ仕事が可能です。
そもそもフリーランスには副業という概念がないので、副業OKという書き方はおかしいのですが、私が会社員時代に大きな不満を持っていた点だったのであえて記載いたしました。
デメリット
フリーランスになるデメリットは以下です。
- 任せてもらえる仕事に制限がある
- 長期の仕事をすることで分かることを学びにくい
- 仕事が途切れることがある
- 社会的信用が下がる
- 使うツールを最初から学び直す必要が生まれる
- 福利厚生がない
- 税金や年金関係の事務作業をする必要がある
それぞれ詳細に説明します。
任せてもらえる仕事に制限がある
プロジェクトに参加する際、フリーランスの人は社員と同じ扱いにはなりません。社員の方と一緒に仕事をするかもしれませんが、あなたは社外の人の扱いになります。そのためお客様情報を扱う仕事やお客様との打ち合わせ、製品の企画など機密情報が絡む仕事や重要度合いが高い仕事は任されにくいです。
案件によっては上記のような内容にも対応することがあるとは思いますが、そういった仕事を任されることは少ないことを認識しておきましょう。大きな責任を持った仕事やたくさんの人を管理するような仕事は会社員の方が担当できる可能性は高いです。
長期の仕事をすることで分かることを学びにくい
フリーランスは数ヶ月間から1年間の契約をして働くことがほとんどです。そのため、自分の出した成果物がどのような結果を出したのか、どのような悪い点があったのか、成果物の納品後に期間が経たないとわからない部分について知ることができにくくなります。
スキルアップは新しい知識を学ぶことと、自分の成果物の改善点を知り直していくことの両輪が必要だと思います。この後者のスキルアップがしにくくなることはあらかじめ知っておきましょう。ただ案件終了後も完全に関係はなくなるわけではなく、評判や問題を確認したい場合には問い合わせれば確認できるので、より自分を高めたい方は積極的に確認をすると良いです。
仕事が途切れることがある
会社員の場合は毎月決まった額の給料を得られますが、フリーランスの場合、契約が途切れたタイミングで仕事がなくなり収入がストップする可能性があります。世の中に案件は大量にあるため、よほど選ばなければ案件が途切れることはないと思いますが、不安定な働き方にはなるので貯金は会社員よりもしておくべきだと思います。
フリーランスエージェントの中には収入が途切れた際に一定の金額を保証してくれるところもあるので、フリーランスエージェントを利用するならそういった仕組みがあるかも確認しておくと良いでしょう。
例えばエンジニア向けのフリーランスエージェントであるMidworksは60%まで報酬を保証する制度があります。
Midworks社会的信用が下がる
フリーランスの人はローンが組みにくくなったりクレジットカードの審査に落ちやすくなることがあります。これはフリーランスという働き方は収入が安定しないことから社会的信用が下がるためです。
クレジットカードは個人事業主として生活するために重要なもので、私生活用と事業用の二種類は最低でも持っておくべきです。今後フリーランスになることを考えている方は会社員のうちにクレジットカードを作っておきましょう。
会社で使うツールを最初から学び直す必要がある
案件によって利用するツールを指定されることがあります。特に常駐型の案件の場合は顕著です。そのため、これまで自分が使ったことがないツールを利用させられる場合には一からツールの使い方を学ぶ必要があり、少し手間です。
ただ多くのツールに触れて使えるようになることはメリットにもなりえます。別の案件をする際に同じツールを使うことになることも想定し、できる限り使い倒しショートカットキーなどを覚え使いこなせるようにしておくと良いです。
福利厚生がない
福利厚生とは企業が従業員の健康や生活を良くするための施策や取り組みの総称で、主な例は「健康診断」「家賃補助」「書籍購入費用負担」です。
フリーランスの場合は企業に属さないので福利厚生が受けられません。しかし、最近フリーランスの働き方をする人が増えてきておりフリーランス向けの福利厚生サービスがどんどん現れてきているので、検索してみると良いでしょう。あとはフリーランスエージェントも何かしらの福利厚生を提供してくれているところがあるので、もし既に登録しているようでしたら確認してみましょう。
サービスとして存在するならできるだけ利用した方が得です。
また特に重要なデメリットが休業補償がない点です。企業に勤めている場合は労働基準法によって平均賃金の80パーセントが労災保険から支払われるのですが、フリーランスにはそういった休業補償制度は国が用意してくれていません。そのため、体が弱い人にはフリーランスという働き方は向いていないです。
しかしフリーランス向けの所得保証保険も存在するので、うまく活用して安心と自由を手に入れると良いでしょう。
税金や年金関係の事務作業をする必要がある
会社員のうちは会社がやってくれていたことをフリーランスになると自分でやる必要が出てきます。
特によく取り上げられるのが国民保険料の支払いと確定申告です。面倒なことに加え、対応が遅延すると余分なお金を支払う必要が出てきます。他にもフリーランスになったら自分でやらないといけない事務作業はたくさんあります。
インボイス制度など年々制度は変わっている中で対応の抜け漏れをなくすため、自分で調べるだけでなく専門家に相談することをおすすめします。
フリーランスの人がやるべき事務作業はどのフリーランスエージェントも基本的に把握しているので、初めてフリーランスになる人はそういった情報集めのためにもどこか1つはフリーランスエージェントに登録して、話を聞いておくと良いでしょう。
まとめ
メリットとデメリットを再掲しておきます。
【メリット】
- 仕事を選べる
- 働く量を決められる
- 収入が増えがち(時間あたりの収入が大きくなりがち)
- 色々な職場を経験できる
- 副業OK
【デメリット】
- 任せてもらえる仕事に制限がある
- 長期の仕事をすることで分かることを学びにくい
- 仕事が途切れることがある
- 社会的信用が下がる
- 使うツールを最初から学び直す必要が生まれる
- 福利厚生がない
- 税金や年金関係の事務作業をする必要がある
この記事で述べることはあくまで、フリーランスという働き方がもたらすメリットとデメリットを述べているに過ぎません。現在あなたがお持ちのスキルセットによってはメリットがより大きくなる可能性もありますし、逆にデメリットが大きくなることもあります。
この記事を読まれる方は安易にフリーランスになろうとするのではなく、きちんと下調べをした上で行動できる人だと思います。今フリーランスに転向すべきなのか否か判断する際に本記事の内容を参考にしてください。
またフリーランス転向すべきなのか判断するための方法としておすすめなのがフリーランスエージェントに登録して、相談することです。フリーランスエージェントはフリーランスの人しか登録してはいけないイメージがあるかと思いますが、そんなことはありません。
私も会社員時代にフリーランスという働き方に興味が湧き複数のエージェントに登録をしたのですが、登録フォームには何を目的としているのかという項目が準備されていることが多く、「情報収集のため」という選択肢が準備されていることほとんどでした。
レバテックフリーランス登録フォーム実例
ただ相談するフリーランスエージェントはどこでも良いというわけではございません。というのもフリーランスエージェントは出来る限りあなたにフリーランスになってもらいたい立場であるが故に、フリーランス転向を進めてくる可能性が高いからです。
そのため、親会社が転職も取り扱っているフリーランスエージェントがおすすめです。代表的な例だとレバテックフリーランスです。
レバテックはフリーランスエージェントであるレバテックフリーランスと転職エージェントであるレバテックキャリアの2種のサービスを持っており、どちらの情報も持っています。
フリーランスになるべきかならないべきかの判断をする際にお役立てください。