【後悔】フリーランスエンジニアになっての所感【1ヶ月経過時点】
会社員エンジニアからフリーランスエンジニアに転向して丸々1ヶ月が経ちました。
まだまだフリーランスエンジニアに成り立てで見えていない部分もあると思いますが、今だからこそお伝えできる所感もあると思いますので、1ヶ月経った今の段階で感じたことをお伝えしようと思います。
またメリットデメリットだけでなく、フリーランスになる前のイメージと異なっていた実態についてもお伝えします。
はじめに
まず最初に私の経歴をお話しします。
私は大学では法律を学んでいた文系学生でした。
新卒で入社した会社は中堅規模のIT企業で、入社後に初めてプログラミングの学習をしました。そしてフリーランスエンジニアになるまでの6年ほどずっと新卒入社した会社に勤めました。
コーディングをしていた期間は最初の3~4年ほどで、それ以降は設計や管理業務をしておりフリーランス転向する直前にはプログラミングはほとんどしていなかったです。
残業は月平均で50時間ほどで、80時間を超えることが年に何回もありました。残業代はちゃんと入る会社だったので収入はそこそこ良かったです。ただ自分の時間はほぼありませんでした。
ここまでの情報を箇条書きでまとめると以下です。
- 文系卒エンジニア
- 中堅企業1社で数年勤務
- プログラミング歴3~4年
- 管理経験3~4年
- 残業多し
- 収入は中の上
こんな状態の私がフリーランス転向して感じたメリットデメリットをお話します。
デメリット
最初にまとめて記載して、その後詳細に話します。
- 不安がすごい
- 下っ端からのスタート
- 職場の関係構築を1からやり直す必要がある
- 税金などの管理が面倒
不安がすごい
会社員は会社と労働契約を結んでいます。相当のことがない限りは会社を辞めさせられることはなく、悪くても降格や部署異動くらいであり、収入がいきなり無くなることはありません。
しかしフリーランスエンジニアの場合は違います。契約は数ヶ月単位で行われ、その度に仕事を失う可能性があります。
私の場合まず2ヶ月間の契約でした。契約の更新は契約終了の1ヶ月ちょっと前にされるので、最初の数週間だけで契約を延長してもらえるか決まることになります。私は今回入った案件がこれまで触れたことがないプログラミング言語かつ知らない領域に対するシステムの開発だったので必死に勉強しました。業務終了後も土日も。契約を終了されてしまうことを本当に恐れていたからです。
その甲斐があり、なんとか3ヶ月間追加で契約をしてもらうことができましたが、こんなに不安が大きいとは思っていませんでした。契約更新についてのメールを確認するときは大学の合格発表を見るときに近いドキドキを抱いたのを覚えています。
色々あって貯金がほぼないので不安はより大きかったです。貯金がある程度あるなら不安は小さくできるかもしれません。
また早期で契約を切られた場合には、その事実が職務経歴書に残ります。その結果スキルを疑われる可能性が出てきてしまい次の案件獲得のハードルが上がってしまうので注意です。
下っ端からのスタート
前の会社で役職を持っていたとしても、新しく入った会社では何も知らない下っ端です。指示を出せる相手はおらず、何かを教えてもらう立場になります。
私は前の会社では管理職に就いており、組織をどう改善していくのべきかなど、割と規模の大きい業務を行なっていたので業務の変化度合いが大きかったです。
ただこの点はデメリットでもあるのですがメリットも大きいと感じています。森ばかりみていても良くないです。木の状態もちゃんと判断がつくようになるべきだと思うからです。そうすることで机上の空論ばかりの中身のない人になることを避けることができます。
そういった点では下っ端になり局所的な業務をする経験が得られることはメリットになると言えるでしょう。
職場の関係構築を1からやり直す必要がある
前の会社には同期がいて、昼休みを一緒に過ごしたり業務後に飲みに行ったりできていました。中の良い上司もいて、別の部門にも知り合いがいるので、会社全体の情報を集めることも容易でした。
しかしフリーランスとして案件に入ると人間関係はリセットされます。全く知らない人達と業務を進めることになります。
気軽に話せる人がいるのといないのとでは仕事のやりやすさが全然違います。
また仕事のやりやすさの点だけでなく、孤独を感じる点も考慮する必要があります。私の場合は運良く年の近い人が多くいるチームに入ることができたの話す人ができて良かったですが、もし年の近い人や話しやすい人がいなかったことを想像したらゾッとします。
税金などの管理が面倒
会社に勤めている時には住民税、所得税、保険料、年金など勝手にやってくれていました。それが全て自分で行う必要が生まれます。
いつに何を払わないといけないのか、何を申請しておかないといけないのか、どの選択肢がもっともお得なのか、すべて自分で調査する必要があります。
しかもフリーランスエンジニアの場合、報酬から勝手に税金が引かれるようなことはなく、すべて自分で納める必要があります。自分が払うべき項目について理解し、どのように出す必要があるのか、どんな情報を記録しておく必要があるのかなど、調べること考えることが大量です。特にフリーランス転向直後は大変なので覚悟しておいた方が良いです。
また会社員の場合、社会保険料や年金の半分は会社が出してくれています。個人事業主であるフリーランスエンジニアは満額払う必要があり、同じ収入だとしても払う社会保険料は多くなるので注意です。
メリット
メリットも最初にまとめて記載して、その後詳細に話します。
- 働き方を自分で選べる
- 仕事内容を自分で選べる
- 大きい企業にも入りやすい
- 色々なツールに触れられる
- 色々な技術を経験できる
- 関わる人が増えて成長につながる
働き方を自分で選べる
案件探しをする時に条件を選ぶのですが、週何日働くのか、リモートメインなのかなど選べる幅が広いです。正社員の場合でも選べる可能性はあるのですが、フリーランスエンジニアは流動性が高いからなのか、希望の条件に合致する案件は多々あります。
私は満員電車が嫌なので基本リモートが良いのですが、初のフリーランスでオンラインでの関わりだけだと不安なのである程度出社も許可する案件を希望したところ、週4リモート週1出社の案件を紹介していただき無事そこに参画することが決まりました。
案件情報や求人情報は流動的なので具体的なデータは出せないのですが、フリーランスの仕事の方が流動的であり、働き方が選びやすいのではと感じています。
仕事内容を自分で選べる
私がそうだったのですが正社員時代には技術力に直結しない雑務も多く任されていました。
しかしフリーランスエンジニアの場合は案件の段階でどのような仕事を任せたいのかが明確になっています。またフリーランスエンジニアは雇う企業はかなりの金額を出しているので、変な雑務は任せてくることは少ないように思います。
私の場合は開発業務がしたいとフリーランスエージェントに強く伝えていたので開発ができる案件をたくさん探してきてもらえました。そして今はがりがりコーディングさせてもらっています。雑務がゼロとは言いませんがほとんどなく、仕事内容にとても満足しています。
案件探しの段階でエージェントさんに念押し、さらに企業との面談の際に自身に任せようと考えている業務内容について詳細に確認することで期待とのギャップを防げる可能性は大きいです。
大きい企業にも入りやすい
フリーランスエンジニアは企業からすると辞めさせやすいです。契約が途切れる時期に更新をしなければそれで関係は切れるので。
逆に簡単に切れるが故に面談のハードルが緩いです。私が受けた参画している企業は誰もが知る大企業ですが、30分ほどの一回の面談で受注が確定しました。それもその日のうちに。
友人にフリーランスエンジニアがいるのですが、その友人もとても大きな企業から案件をもらっていました。正社員として入るのはとても難しい企業で働くことができ、高い技術や良い文化に触れられることは大きなメリットです。
ただし、書類選考では結構がっつり落とされるので見栄えの良い経歴は作っておく方が良いです。私も6,7割は書類選考で落ちました、
色々なツールに触れられる
フリーランスエンジニアは色々な場所を転々とするので、さまざまなツールに触れることができます。私の場合は新しい会社で使うツールは前の会社でも使っていたツールが2割、8割は初めて使うツールでした。
単純に知識の幅が広がります。またチャットツールやエディタなどできることはほとんど同じなので、慣れるのも簡単です。また新しいツールに慣れること自体に慣れられるのでどんな職場でもやっていけそうだという自信が持てます。
色々な技術を経験できる
知らない言語、知らないフレームワーク、知らない人たち、これらに囲まれて開発業務をしていたら嫌でも新しい知識を身につけることができます。同じ会社でずっと業務をすることでも技術力を伸ばせるとは思いますが、思いっきり環境が変わると適応が大変な反面、たくさんのことを学ぶことができます。
長い目で見ると多くの技術に触れておくことはプラスです。
関わる人が増えて成長につながる
一人で学ぶ速度には限界がありますが、優秀な人の近くで学ぶことができると大きく飛躍することができます。
特に大きな企業には優秀な方が多いです。大きな会社に入り優秀な人と接することができれば多くの技術を盗むことができます。また人によって得意なことが異なるので、環境が変わりやすいフリーランスという働き方は人から何かを吸収しようと思っている人には最高の働き方だと思いました。
なる前のイメージとのギャップ
ここからはメリットデメリットという枠ではなく、私がもともと想像していたフリーランス像とのギャップについてお伝えします。
ここでもまずまとめてお伝えした後、詳細に話します。
- 孤独感がそこまでない
- 正社員との扱いの違いをほとんど感じない
- 残業はちゃんとある
孤独感がそこまでない
正社員なら社員というつながりが持てますし、SESであれば同じ会社から来ている人と顔見知りです。しかしフリーランスは単体で挑むことになるので、企業に属す人たちと比べると孤独なものだと思っていました。
ただ実際に私が参画した案件ではそのようなことはありませんでした。初日からお昼に誘ってもらい、チャットではいつでもわからないことがあったら聞いてくださいと言ってもらえたり。正社員として働いていた時と同じくらいのつながりをプロジェクトの方々とは持てています。
基本的に新しくプロジェクトに参画した時にはリーダーをはじめとしてどんどん構ってきてくれるはずです。その際に「ほっといてください」オーラを出さず、また仕事にひたむきな姿勢を見せていれば孤独になることはないんじゃないかと思います。特に開発に携わる人は優しい人が多い気がしますし。
正社員との扱いの違いをほとんど感じない
私が携わるプロジェクトは一人のチームリーダーと数人のメンバーという構成で、リーダーは社員、メンバーは半分社員です。リーダーとメンバーの業務は大きく異なりますが、メンバー間での仕事の違いはありません。
フリーランスの間は管理職になるのは難しいのかとは思いましたが、メンバーという立ち位置の中では特に差は感じなかったです。
残業はちゃんとある
フリーランスになると残業はないという話を友人からは聞いていましたがありはします。それでも格段に減りましたが。
1ヶ月目の総残業時間は約10時間でした。私は一ヶ月目なので締め切りが近い仕事はあまり任されず、全然残業はしなかったのですが、同じプロジェクトでフリーランスとして参画している人は夜遅い時間まで残業していることがありました。
案件によるのでしょうが、残業がある案件もあるということをお伝えしておきます。
絶対定時で帰りたいという方はエージェントさんに伝えておくと良いでしょう。エージェントさんはどの企業の案件は残業が多いのかデータとして持っているので、募集要項やネットの口コミよりも信頼できます。
総評
もっと早くなれば良かったと後悔しています。もちろん正社員として働いている時間で身に付けられた能力もあると思うのですが、残業が少なく報酬も多い今の働き方がとても気に入っています。
残業が多い中での仕事はメンタルを鍛えられたり短い時間の中でうまくタスクをこなすコツは身につけられるかもしれません。しかしその場しのぎの仕事の仕方になってしまい質にフォーカスできませんでした。
今は学習の時間が多く取れます。質の高い仕事をどうすればできるのかを考える余裕があります。
こうやって記事を書く時間も作れるようになりました。
冒頭でお話しした通りフリーランスという働き方のデメリットで見えていない部分も多くあります。社会的な信用が下がりローンが組めないとか、病気になった時の収入がゼロになるなど不安なこともあります。
しかし単純に今の感想で言うと、フリーランスエンジニアになって良かったです。
今の20代、30代前半くらいの多くの人が感じている「このままで良いのだろうか」という漠然とした不安の感情を私は少し払拭できました。前の会社で学んできたこともちゃんと活きています。無駄じゃない会社員生活を過ごせていたんだと実感できました。
まとめ
まだフリーランスになってから1ヶ月しか経っていないのですが、会社員時代の記憶も鮮明にあるが故にたくさん所感を書かせてもらいました。
また三ヶ月後や半年後、あとは確定申告あたりの時期に今感じていることとのギャップが生まれてきたらお伝えしようと思うので、たまに確認しにきてください。
最後に私が利用していたフリーランスエージェントを紹介しておきます。
レバテックフリーランスここで紹介してもらった案件に参画しました。業界最大級の案件数を保有しているそうなのですが、実際たくさんの案件を紹介してもらいました。
midworks
案件獲得の前に色々相談に乗ってもらったり、案件紹介をしてもらったりしました。先に良い条件の案件をレバテックに紹介してもらったので今回はそちらを選びましたが、midworksは交通費が支給されたり、勉強用の書籍代として1ヶ月で上限1万円支給の制度があるなどフォローが充実しているので次案件が途切れた際には相談しようと思ってます。